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プロフェッショナル遺言。

今日の記事は、公証人さんに作成をお願いする遺言についてです。

 

法務局での保管制度を利用した 自筆証書遺言の手軽さは、先日の記事で お伝えしたところです。

これは、内容がシンプルな相続の場合に おすすめできる制度です。

しかし、例えば ご自身が事業を営んでいるなどのケースでは、事情が変わってきます。

引き継ぐべき財産の中に プラスと マイナスが 入り混じるような 複雑多岐な場合の遺言。

会社の『定款』などが 思い出されるような遺言。

取引先の顔が 思い浮かぶような遺言。

想像してみてください。

・・・これを、自分の肉筆で 理路整然と書きあげるって、相当ハードルが高いと 思いませんか?

単純に、膨大な量の内容を手書きする・・・それだけでも21世紀の今日日、無茶なイベントだと思います。

 

何かのはずみで、契約の内容が 実現されないトラブル。

日常生活でも、身の回りで 見聞きしますよね。

複雑な内容の契約書は、文言の用い方を間違うと 大惨事になりかねない 緊張感があります。

悩ましいことに、複雑な内容の遺言にも、これとよく似た緊張感がつきまとうのです。

 

日本公証人連合会公式チャンネルの動画

※お父さん役を、『鎌倉殿の13人』で安達盛長を演じられた野添義弘さんが好演しています(^^)/

 

 

仕事の流儀―公正証書遺言の意義

遺言には、一般的に2つの作り方があると イメージしてください。

  1. ひとつは、自分自身で書き上げる「自筆証書遺言」。たいへんお手軽です。
  2. ふたつめは、公証役場という公的機関で整えてもらう「公正証書遺言」。確実性はこちらが圧倒的。

ページトップに掲載している画像は、浜田公証役場が2階に立地している島根県の施設「いわみーる」。

こちらでお仕事をされる公証人のお力を借りて、「鉄壁の遺言」を作るのが今回のテーマ。

公証人さんという職責は、あまり世間に知れ渡っていませんが、「法律のプロ&超ベテラン」だと思ってもらってOKです。

もともとは 裁判官などを勤められた経歴をお持ちで、豊富な知識と 経験に裏打ちされたスペシャリスト。

私ども行政書士は、公証人さんと市民のみなさんを 橋渡しする立場にあります。

法務局では 自筆証書遺言の保管はしてくれても、遺言内容の相談などには 応じてもらえません。

けれども 公証人さんは相談内容を聴き取り、相談者の要望を 実現するための遺言を 作成されます。

これぞまさに「鉄壁の遺言」

 

注意事項

公正証書遺言については、ひとの力を借りて作成する分、手間と費用が掛かることには ご留意ください。

  • 特に、遺言書の内容を証明するため、完成時(本人が押印する時)には、公証人とは別に証人が  2人必要 になります。
  • 本人を含めると 都合4人のスケジュールを 合わせる必要がありますので、事前調整も 大事になります。
  • また、自筆証書遺言保管制度に比べると、掛かる経費が 割高になります。

こちらのページに金額表が掲示されていますので、ざっとお目通しください。

 

お身体が不自由で、公証役場まで出向けない場合は、公証人さんが出向いてくださることも可能です。

再現ドラマの中にも「遺言は元気なうちに」との会話がありました。

お身体が達者でも、認知症などにより 判断能力が欠ける状態になると、公正証書遺言であっても 作成することはできません。

体調で悩んだときには、お医者に 掛かります。

遺言で悩んだときは、公証人さんを 頼ってみましょう。

ヘーゼルナッツスタッフは、浜田市内で遺言についてお悩みの方を、公証人さんのもとまで乗せてゆく「船」の役割をつとめます。

公証人さんは、法務文書のプロ。

けれども、ひとつだけご相談者とのミゾがあるとすれば・・・

「付言事項」という残された家族へのメッセージ部分。

ある種の「遺書」相当部分です。

こればかりは、公証人さんとは相談しづらい部分なのですよね・・・

小職・中谷。

昔から作文は得意にさせていただいておりました。

残したい気持ちの機微やヒダ、きっちり拾わせていただきたいと考えております。

遺言には、遺産分配に色付けされることが多いものですから、なにがしかのエクスキューズがないとケンカに発展しかねない危うさも孕んでいます。

そんな時にこそお役に立ちたい。

行政書士は、本当に身近な「代書屋」でいいと思っています。

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