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付言事項に 愛をこめて遺言を

母の日に、島根県オリジナルの アジサイ「万華鏡」を贈りました。

 

「遺言はルールブック」。

以前の記事にも そのように書きました。

遺書でもなければ

辞世の句でもない。

遺された側に、どのように遺産を 受け継がせるのか。

存命中の持ち主だけが、そのルールを(法定のもとで)決めることが出来る。

その故人の遺志を 明確な形で書き記した 事務的文書なのです。

遺言書には定型句が多い

  • 誰に
  • 何を
  • いかほど

渡すのか。

これだけのことなのですが、遺言に使用される文言には パターンがあります。

というのも、書いた人間の真意を 確かめることができないので、読み手の誤解を 生じさせたくないから。

だから、長男に 現金100万円を残したいなら

「遺言者の長男〇〇に金100万円を相続させる」と書いたり

孫に 車を渡したいなら

「遺言者の孫◆◆に(車両情報=車台番号とか登録番号などで特定)を遺贈する」と書いたり。

これが「任せます」「使わせる」みたいな文言だと、所有権はどうなるの?という混乱につながりかねないわけです。

これが、断定できる言葉パターンの 羅列になる理由。

 

それでも 少しだけ、心のかよいあいも

以上のとおり、存外 味気ない遺言書。

逆にそれが 利点だったりもするのですが…

とは言え、多くは家族に対しての 手紙になるわけです。

 

私だって

「お父さん、これだけ?何か私たちに言葉は?」

と悲しまれたくありません。

 

遺言書には、多く末尾に「付言」という項目を 設定されます。

ここに「みんなありがとう、お世話になった。家族仲良く…」などの、愛情を込めることができます。

この付言は 文字どおりメモの意味合いが濃く、法的な拘束力はありません。

けれども、例えば遺産分配の方向性、考え方について、補足的に説明を添えておくと、遺族も 納得しやすかったりするので、侮れません。

付言事項には、愛をこめて。


逆に、籠めてはいけないものは「怨念」です。

「お前には××が■■だから、一銭も残さない」

などの、文字どおりの 遺恨を籠めると大騒ぎに。

もともと 仲が悪いからこその言葉でしょうが、故人から 呪いの言葉を掛けられて 平穏でいられる人も 少ないでしょう。

この「余計な一言」で、遺言の中身の正当性を争う事態になりかねないのです。

トラブル回避に 有意義な遺言を使って、わざわざ火種を 残すのは やめましょう。

故人に対しては 何も言い返せないので、これは少し卑怯?かもしれません。

ケンカは、生きているもの同士の特権。

鼬の最後っ屁は、反則と心得ましょう(^-^;

 

「人生はハードモードの修学旅行」

旅行を終えて「帰宅」する際には、仲良くできなかったトモダチにも それなりの礼節を。

旅の恥は搔き捨て、は流行りませんから。

 

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