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相続土地国庫帰属制度

2023年からスタートした相続土地国庫帰属制度

「どうやったら使えるのでしょうか?」セミナーなどでもたくさん質問をいただきます。

別に相続したいわけでもないのに、天から(?)降りかかってくる先祖からの不動産。

近現代的な資産価値は望めないにもかかわらず、固定資産税だけは免れない。

誰だって、そんな呪縛からは逃れたい。

けれども、当事者のみなさんが一様に仰るのは「この制度は使えない」という悲しい感想。

しかしこれは、偽らざる本音と言えます。

だって

だって。

あまりに割高に 過ぎるものだから。


やはり山間部の荒廃地に関する処分について、ご相談を受けました。

かつてご家族で暮らしていた家や田畑、山林は写真のとおり荒れ放題。

竹が生い茂って進むのにも一苦労。

それでも、年間にいくばくかの固定資産税は支払わなければならない。

そして、登記簿上は昭和に亡くなったお祖父様の名義のまま…。

お客様は「孫子の代まで、こんがらがったまま遺したくない」と強い意志でご相談に見えました。

折しも相続登記の義務化もあり、焦りに拍車が掛かります。

委任を受けて名寄帳を取り寄せてみると、28筆。山林の面積は4ヘクタールを超える広大な土地。

相続しても、決して喜びをもたらさない土地ですので、そういった不動産は手を放したいと思うのは人の常。

私の脳裏に『相続土地国庫帰属制度』が浮かびました。が・・・・・・・

計算ソフトで資産すると、このケースでは100万円を超える金額を国庫に納めることに。

モノの廃棄処分料としては、あまりにコスパが悪いということになり、お客様もとてもとても悩まれました。


今回はとりあえず、これ以上相続の権利者が混雑しないように『遺産分割協議書』の作成までは実施することに致しました。

この作業だけでも、対象者が片手では収まらないので…それはそれは大変な手間になりますが―

負の不動産の相続というものは、消えてなくならないためにいつまでも子孫を苦しめます。

とりあえず代が替わって、帰属制度がもっとブラッシュアップされれば、一般庶民の手が届く制度に落ち着いてくれないかな・・・と、あてのない希望を抱きながら協議書を作成する日々です。

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