遺産分割協議書作成

私は先年、父方の祖母を94歳で見送りました。「大往生」だと思っています。

折しも悪名高い感染症が世にはびこり

施設への訪問が禁止に近い状態が続き

ようやく会えたのは危篤を告げられてからのことでした。

親族一同、なかなか面会できない中で 臨終を迎えるのではないか…と懸念しておりましたが、悪い予感の的中を 悔やんだものです。

祖母は 平成の初頭に祖父と死別し、父を含め 子どもが3人。

遺言は 残しておらず、幸い 理路整然と 遺産分割協議が なされました。

私の父は、この事務手続きにおける処理に長けており、舌を巻くほど 鮮やかに協議を 丁寧に仕切りました。

祖母の 戸籍等必要書類を 迅速に取り寄せ、金融機関への手続きも 非常にスムーズに。

身内ながら 見事だったと思います。

相続すれば、どうしても付いて回る「登記」についても、自力で易々と解決させました。

遺産分割協議書を 残された法定相続人の間で 早々に整え、『相続登記』が 義務化される ずっと前に 対処していたのです。

 

 

しかしながら、定年退職を迎えた後とはいえ、父も常勤の仕事もある立場での資料収集。

世にいう 忌引きの期間は、葬送のための 時間的猶予であり、遺産分割については その日数では足りません。

90歳を超えた実母については、遠からぬ将来見送る…という覚悟ができていなければ、もしかしたら ギブアップしていたかもしれないと 思うところです。

心身に大きな 疲弊をもたらす「身内の不幸」。

それが急に降りかかってきた場合のダメージは、想像するに余りあります。

私が取扱業務の重要な部分に、『遺産分割協議書』を据えている理由は その点に集約されます。

遺産分割の作法

身内を亡くした場合、次の事を 確定させなければなりません。

すなわち

  1. 遺産を 相続し得るのは 誰か
  2. 相続し得る 遺産は何か?いかほどか?

これらの二つです。

 

1.誰が?の問題については、亡くなった方の戸籍を取り寄せ、相続人の候補者を割り出す作業があります。

例えば 婚姻歴が複数あり、それぞれに子を 授かっていた場合。

または婚姻外で 子をもうけていた場合なども、古今めずらしくないケースと言えます。

実子も 養子も 相続に関しては 優先順位が高く、全員の合意が 相続には必要になるのです。

 

2.何がどれだけ?の問題について。

遺された資産が、遺族にとって 有益なものばかりとは 限らないのが現実です。

借金などが あった場合の 対応については、それぞれのご家庭で 検討されることと 思います。

しかし、(マイナスの)遺産を 相続するよりも、放棄したほうが得策と 判断されるのも 当然のこと。

ただし、相続を放棄するためには タイムリミットがあります。

 

これら 二つのミッションを、疲弊した遺族に 求めるのは 酷であると感じるところです。

行政書士事務所ヘーゼルナッツでは、哀しみで力が出せずに お困りの皆様の お手伝いをさせていただきたいと考えます。

お問い合わせを受け付けておりますので、フォームからご連絡ください。

お問い合わせフォーム

 

 

関連商品

  1. 遺言は愛のカタチ

    遺言は「遺書」でも「辞世の句」でもありません。大切な思い出でもある「財産」を愛する仲間に引き継ぐために。書いてみませんか?遺言は愛のカタチ。 それはある種の保険と考えてもいいかもしれません。

ページ上部へ戻る